枕を作ろうと思ったきっかけは何ですか?
最初は妻のために作り始めたんです。
我が家はチビ達が多く、5人の子供に囲まれて
いつも大賑わいです。彼女は子供達の世話だけでなく、家事もきっちりこなすしっかり者
なんですよ。おかげで私達は助かるんですが、そのせいでいつもフラフラしてるし、そのくせ、
口を挟むとなんだかいつもピリピリしてるみたいで…。
これはいかん。
妻にも子供達にもよくないなと。
夜泣きや授乳で夜もよく眠れていないみたいでしたので、その少しの時間の
睡眠でも、ぐっすりと眠って元気になってもらえればと思って作り始めました。
なぜ、枕だったのですか?布団やベッドでもよかったのでは?
意外と知られていないのですが、枕がその日の寝姿勢を左右するんですよね。
「枕が変わると眠れない」という話はよく聞く話です。それなのに、みなさん、枕はこんな形のものだ、という固定観念からはなかなか離れない。
枕で寝心地が変わると思っていても、どういうものが良いのか、というのは知られてなかったんですね。
あまり見たことのない、ずいぶん変わった形ですよね?
はい。「これが枕?」って、驚かれます。
初めは普通の長方形だったんですよ。
でもそれだとどうもうまくいかない。思い描いている心地よさが生まれないんです。
試作を何度も重ねました。
数分寝るだけではよくわからないので、どうしても時間がかかります。僕自身の身体で人体実験の繰り返しです。
首周りの緊張を解きほぐすには?
寝返りが簡単に打てるようにするには?
試行錯誤の結果、この形状にたどり着きました。
既存の枕とは、どう違うのですか?
そうですねぇ、まずは寝つき、枕に頭を置いてからの寝心地が違います。
あるポイントをしっかりと支えることで、上半身がリラックスできるんです。リラックスできていることで、寝返りもコロコロと簡単にできます。
そうなると、どうなるのか。
朝起きた時に、身体が軽いんですよ。スッキリと目覚められる。
寝姿勢で余計な負荷がかかっていると、その部位が緊張してしまって、朝になるまでに固まってしまうんですよね。
そのポイントというのは?
頚椎7番(C7)と胸椎1番(T1)です。
ここは、脊柱のS字カーブが切り替わるポイントでもあります。
前弯している首と後弯している背中のつなぎ目となる部分です。鍼灸などでは、大椎というツボとして知られています。
このポイントを支えてあげることで、肩から首、頭にかけての力が抜け、全身のリラックスにつながるわけです。
少し話しを戻しますが、奥様の健康を考えた時に、睡眠に着目したのはなぜですか?
やはり睡眠が、エネルギーを回復してくれる重要な時間です。
どんなに良い物を食べ、健康的な運動をしても、睡眠がなければ身体はくたびれてしまいます。消化吸収するにもエネルギーが必要ですし、運動では尚のことですよね。
よく眠れた朝って、気持ち良いじゃないですか。身体が元気だと、心も一緒に元気になるんですよ。
妻は、慌しい日々を送り、しかも睡眠も小刻みでしか取れていない様子でした。
睡眠の質を上げれば、短時間の睡眠でも元気になってもらえるのではないかと考えたんです。
その時間だけでも、緊張から解放された、最上の時間を過ごしてもらえればと。
どんな方に、この枕を使ってほしいですか?
初めは妻のために作ったんですが、今ではすっかり家族全員が愛用者です。
誰もが、家族の健康を願うもの。
大切な家族を思う気持ちに、年齢や性別は関係ありません。この快眠を大切な人にも分けてあげたい、と考えている方の目に留まってもらえるとうれしいですね。
そして、ぜひ使って実感してほしい。
「夫婦で使っています」とか、「親子で愛用者です」なんていう手紙をいただくと本当にうれしいですね。皆さんの朝の笑顔が想像できます。
目指したのは、誰からも嫌われない枕。みんなに愛される枕だったのですから。
私自身高い枕が好きなのですが、この枕では低すぎませんか?
そういう方にこそ、ぜひ使ってもらいたいですね。
枕に対する新発見がより感じられると思います。
高い枕だと、首の納まりが良い分、寝つきは良いんですが、その形でじっとしてしまうことがあるため、寝起きに固まってしまうことがあるんです。
朝起きてすぐに肩がきつい人なんかはその典型ですね。
寝返りをうつことで、夜中の間に身体が調節をしています。
この枕だと、先ほども申しましたが、身体が楽な分、寝返りも楽なんです。
疲れている時に、両腕をバンザイして寝ることがあるのですが?
あ〜、僕もよくやりますよ、その格好。
案外楽なんですよね、腰が伸びて。
これは、偶然の副産物だったのですが、この枕だと、そういった姿勢も楽にできるんです。
肩が軽くなるからでしょうね。背中に大きく広がる、僧帽筋も緩んでいるからだと思います。
アスリートにもファンが多いと伺いましたが?
そうなんですよ、うれしい限りです。
競技選手やトップレベルで運動をされている方というのは、ものすごい緊張の中で、日々を過ごしています。それはきっと想像を絶する緊張感でしょう。
そうなると、交感神経の緊張が高まり、自然と首や肩に力が入るんですね。
ストレスに晒された中での、人間の防衛本能とも言えます。危険にそなえて、身体が臨戦態勢を取るわけです。
みなさんもあるんじゃないですか?夜中に運動した後に、身体が興奮してしまって、寝れないというようなことが。
この枕を使うと積極的にリラックスを図ってくれるので、副交感神経の働きを促進してくれます。力が抜けていくことで、
身体を休息モードへと素早く移行させてくれるんですよ。
やはり、そういったアスリートの方ほど、快眠、熟睡に対する欲求が強いんでしょうね。
他の製品に比べると、値段が高いようですが?
どんなものでも、良いものでないと意味がないと考えています。
いくつかの工場とお話をさせていただいたのですが、やはり国内生産にするべきだと思いました。メイドインジャパンの信頼と高品質を提供したかった。
そこで、生産に関しては、枕作りですでに多くの実績のある、鹿児島の丸松さんにお願いをしました。
また、その枕作りの先輩に、良いアドバイスもいただきました。
ウレタンという素材はどうしても熱を持ちやすいんですよね。実験段階では、カバーもせず、そのまま寝たこともあるのですが、首周りに汗をかくくらいです。
そこで、枕カバーにも一工夫した方が良いのでは?と。
そこで見つけてきたのが、この素材です。旭化成さんの「コットンラッセル」。
吸湿性・通気性に優れ、さらに弾力回復性に優れた素材です。
この素材を内部カバーに取り付けることで、
「ウレタン=熱がこもる」という問題点を解消しました。
良いものにこだわって、たどり着いた結果が、この枕なんですよ。
睡眠産業全盛といわれていますが、今後はどうなると思いますか?
みなさんもっと睡眠を真剣に考えて欲しいです。
人間の身体はいまだもって人工では再現できない、超精密機械です。
「とりあえず寝れば良い」ではなく、そのための準備をしっかりしてあげることで、身体は益々元気になっていきます。
簡単な工夫ひとつで。
ストレス社会といわれる現代において、睡眠は自分で簡単にできる最も身近な治療のひとつです。このことをもっと多くの方に気付いて、知ってもらいたい。そうすることで、業界全体が注目されて、良いものだけが残っていく、そういう時代になるのではないでしょうか。